今月のニュースレターでは、イギリスのクリスマス・パントマイムとその華麗なドタバタ喜劇について書いています。私がいちばん好きなドタバタ喜劇は、カスタードパイの投げ合い。バナナの皮でつるっと滑る王道の喜劇と並ぶくらい、パイ投げ合戦もお馴染ですよね。100年以上前のアニメやテレビ番組、映画に登場しています。私のお気に入りのパイ投げ合戦はこのページの最後でご紹介しますので、ぜひご覧になってみてください。

このレシピでは、カスタードと生クリームのトッピングにベイリーズのアイリッシュクリーム（リキュール）を使い、オプションで自家製ハニーコムとクランベリーを飾りました。定番のカスタードパイが豪華なパーティ仕様に変身です！

必要な調理器具:

• オーブン
• 麺棒
• ミキシングボウル
• ソースパン（小さな鍋）
• 泡立て器
• ふるい（ザルなどで可）
• 22cmのパイ型（タルトケース）
• クッキングシート
• ベーキングビーズまたは米（パイ生地を作るときの重し用）
• ハニカムを作る場合は、10cm角のオーブントレー

材料:

作り方:

●最初に生地を作ります：

1. 大きめのボウルに小麦粉と砂糖、カットしておいたバターを加えたら、冷たい手でこすり合わせながら、ポロポロの状態を作っていきます。
2. そこに生クリームと卵黄を加え、混ぜ合わせます。パサつくようなら生クリームを少し足し、粘りが出るようなら小麦粉を足して、なめらかな生地に仕上げます。
3. タルトケース（パイ型）にバターを塗っておきます。
4. 薄く小麦粉をまぶした台の上で、生地を1cmの厚さに伸ばし、タルトケースより5cm大きな幅にします。生地が柔らかい場合は、小麦粉を多めに使って伸ばしてください。下の写真のように麺棒を使ってタルト型に生地を敷き詰め、底面と側面に軽く押し込みます。
5. 1cmほど生地をはみ出させ、残りは切り落とします。底面の生地をフォークでまんべんなく刺します。
6. 冷蔵庫で30分以上冷やします。
7. オーブンを180℃に予熱しておきます。
8. 生地の上にクッキングシートを敷き、ベーキングビーズもしくはお米を加えて重しにし、約15分焼ます。
9. オーブンから取り出し、クッキングペーパーとベーキングビーズ（もしくはお米）を慎重に取り出したら、生地にこんがり焼き色が付くまで、さらに少なくとも5分ほど焼きます。焼き色がしっかり付いたらオーブンから取り出し、タルトケースのままオーブントレーの上に置いて粗熱を取ります。＊カスタードクリームは水気があるため、ここでしっかり生地を焼くのがポイントです。焼きが足りないと、仕上がりが水っぽくなるので注意してください。

●カスタードを作ります：

1. オーブンを140℃に予熱しておきます。
2. 鍋に生クリームを入れたら、バニラのサヤから種をこそげ取り、種とサヤの双方を生クリームに加えます。沸騰しない程度に湯気が立つまで弱火で加熱します。
3. その間に、大きなボウルに全卵、卵黄、砂糖を入れ、なめらかになるまで泡立てておきます。
4. 2の生クリームにアイリッシュクリームを加えて混ぜます。
5. 3の卵のボウルに4のクリームを加え、よく混ぜ合わせます。
6. こし器やザルを使ってカスタードを濾します。
7. 焼いておいたタルトケース（生地）にカスタードを慎重に流し入れたら、オーブンで焼きます。
8. 30分ほど焼き、カスタードの焼け具合を確認します。中心部が少し揺れるくらいが焼き上がりの目安です。 様子を見ながら焼き加減を調整してください。
9. オーブンから取り出し、室温で十分に冷まします。
10. タルトケースからパイを慎重に取り出し、盛り付け皿や木の板の上に慎重に置いて、冷蔵庫で2時間以上冷やします。

●ハニーコムを作ります (オプション):

1. 小さなボウルにベーキングソーダ（重曹）大さじ1杯を入れます。スプーンの背などでダマをつぶして細かい粉末にしておきます。
2. 10cm角の耐熱皿にバターを塗ります。
3. 底の厚い鍋に砂糖とゴールデンシロップ（もしくはハチミツ）を入れて弱火にかけ、砂糖が溶けるまでときどきかき混ぜながら熱します。中火にし、深い琥珀色のキャラメルになるまで加熱してください。
4. 3の鍋を火から下ろしたら1のベーキングソーダを加え、即時によくかき混ぜます。泡がたくさん出てきますので、すぐに耐熱皿に流し込んでください。そのまま冷まします。
5. 十分に冷めたら、ハニーコムをトレーから取り出し、ざっくりと砕きます。
6. 残ったハニーコムは、密閉容器に入れて保存してください。

ハニーコムの作り方はこちらもぜひご参考にしてください↓

生クリームを作ります：生クリーム200ml、砂糖大さじ1.5、ベイリーズのアイリッシュクリーム大さじ2をボウルに入れ、お好みのかたさの生クリームができるまで泡立てます。私はかなりゆるめが好きです。

食べる直前に冷蔵庫からカスタードパイを取り出し、真ん中にホイップクリームを加え、ハニーコムとドライクランベリー（オプション）を飾ったら完成です。

では、ここでパイ争奪戦の動画をご紹介♪

バナナの皮で滑ったり、パイ投げがあったりのオンパレード。ローレル＆ハーディは天才ですね（1927年）。

こちらはトニー・カーティスとジャック・レモン、ナタリー・ウッドの『グレート・レース』（1965年）。

そして最後に、メル・ブルックス監督による西部劇コメディ『ブレイジング・サドル』でのクリーヴォン・リトルとジーン・ワイルダー。