愛を注がれた「英国産のラム肉」

Photo courtesy of AHDB

スワン&ライオンから嬉しいお知らせです。今年はイースターを祝うために、英国産のラム肉を使わせていただけることになりました! 英国産のラムは、福祉に配慮した持続可能な基準で世界に知られる品質。レッドトラクターのロゴが、その認定の証です。

レッドトラクター認証に求められる基準は非常に高く、食の安全や動物の健康と福祉、環境保護の観点も考慮され、どこで生産されたラム肉なのか、農場にまで遡って確認できるよう設計されています。 

先日開催されたFOODEX JAPAN 2022(第47回国際食品・飲料展)では、AHDB JAPAN 英国農業・園芸開発委員会により、イギリスのラム肉、牛肉、豚肉が日本市場に紹介されました。今後、日本のスーパーマーケットでも、この最高品質のお肉が手に入るようになることを願うばかりです。

https://www.facebook.com/TheAHDB.Japanでは、イギリスの農業に関するストーリーや、素晴らしいレシピのアイデアなどをご覧いただけます。

今後もぜひ、このロゴの英国産ミートにご注目ください。

イースターの週末が近づくと、イギリス中の家庭が週末のごちそうを計画します。伝統的には、聖金曜日にはお肉を控えてお魚を食べますが、イースターの週末を祝うメインイベントは、もちろん「イースター・サンデー」の食事。この日の食事はロースト・ディナーが一般的で、ラム肉を食べるのが伝統です。

そこで今年は、スペシャルイースターテイクアウトランチを販売します! イースターまでの平日3日間、じっくりローストした英国産ラム肉にローストポテトや季節の野菜、グレービーソース、自家製ミントソースを添え、テイクアウトランチとしてご提供します。4月13日(水)、4月14日(木)、4月15日(金)の3日間です。ぜひご賞味いただけたら嬉しいです。(ランチは、市ヶ谷の店舗のみでの販売となります)

また、英国産のラム肉を使ったシェパーズパイも販売します。シェパーズパイは、コテージパイと似ていますが、牛肉ではなくラム肉を使っているのが特徴。ラム肉のミートソースには赤ワインとミントを香りづけに使っています。口どけのよいなめらかなマッシュポテトをトッピングした、パイ生地を使わないパイです。伝統的には、シェパーズパイはイースターのローストディナーの残り物で作られる料理でした。残ったローストラムはミンチに、野菜はソースに、そしてマッシュポテトはトッピングにと、無駄は一切ありません。私が幼い頃にも、祖母がとても美味しいシェパーズパイを作ってくれました。当時はローストした肉をミンチにするために、手動の肉挽き器を使っていたのを覚えています。懐かしくなったので、今度イギリスを訪れた際に探してみようと思います。持ち帰るのには、ちょっと重いですけれどね。

なぜ、イースターに子羊(ラム)を食べるのでしょうか? その起源は、キリスト教が成立する前の旧約聖書の時代にまで遡ります。「出エジプト記」によると、エジプトで奴隷だったユダヤ民族がモーセによって解放される前夜、神の使いがエジプト中の初子(長男)を殺す中、ユダヤの民は家の戸口に子羊の血を塗ることによって、神の裁きを免れました。これを祝う「過越の祭」で子羊の肉を食べ始めた習慣が、キリスト教にも受け継がれて今に至っているという説が有力です。

新約聖書には、イエスの時代、過越の祭では汚れや傷のない完全な子羊がいけにえとして捧げられた、という記述があります。キリスト教では、「過越の子羊の血がユダヤの民の罪をあがなったように、イエスの十字架の死は、人々の罪をあがなうための死である」と考えます。つまりイエス・キリストは、私たちの罪のためにいけにえとして捧げられた「神の子羊」なのです。キリスト教がイースターに子羊を食べるのは、この犠牲を忘れないためとも考えられます。

さて、お肉の話に戻りましょう。ラムとは生後12か月未満の若い羊の肉のことで、柔らかくマイルドなのが特徴です。生後1~2年の羊の肉はホゲット、2年以上の羊の肉はマトンと呼ばれ、風味は良いですが、少し硬くなります。羊肉には良質なタンパク質のほか、ビタミンB12やナイアシン、セレン、亜鉛、鉄、リンなど、からだの機能を整えるのに重要な栄養素が豊富に含まれています。また、脂肪のほとんどが肉の表面についているため、簡単にとりのぞけるのもありがたい部分。低脂肪ながらも美味しいタンパク源となります。

子羊の出産は多くの場合、早春に始まります(暖かい地方では12月に始まることもあります)。イギリス人にとって、子羊が草原を走り回る様子は、長く続いた冬の終わりと新しい季節の始まりを象徴する、よろこばしい光景です。イギリスの羊や子羊の多くは屋外で飼育され、牧草地の草を食べて育ちます。私の兄マークと妻のケイトも、小さな農場で羊たちを愛情たっぷりに育てています。寒い夜に野原に出て、母羊の出産を手伝ったという話を毎年のように聞いてきました。愛情をたっぷり注いで大切に育て、いのちをいただく。これがイギリスの農業の真髄であり、イギリス人の文化なのだと思います。

最後に、2000年代半ばに放映された英国産牛肉とラム肉のテレビコマーシャルをご紹介します。このコマーシャルには、イギリスクリケット界の伝説的人物、イアン・ボーサム(「ビーフイ」)とアラン・ラム(「ランビー」)が出演しています。音楽は、BBCクリケットのオリジナルテーマ曲「Soul Limbo」です。  たまらない演出です。

ラム肉やイースターとは関係ないですが、こちらが「Soul Limbo」のフルバージョン(by ブッカー・T&ザ・エムジーズ)。踊らずにいられるかな!?

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