今回ご紹介する自家製カレー粉とカレーペーストを使えば、すぐに美味しいカレーを作ることができます。1850年頃、イギリスで出版されたレシピで、当時のイギリス人がインドのスパイス愛に触発されて作られたそうです。少し時間はかかりますが、でき上がった味はかなり本格的ですので、ぜひいちどお試しください。

19世紀のカレー粉ミックス

作り方：よく乾いた清潔な瓶に、すべてのスパイスを入れて振って混ぜ合わせ、しっかり蓋をします。直射日光避けて涼しい場所で保管します。

19世紀のカレーペースト

1850年頃のジェームズ・ラナルド・マーティン卿によるレシピ

作り方:

• コリアンダーシード、チャナダール、黒胡椒、クミンを中くらいの重めのフライパンに入れ、中火で加熱します。スパイスの香りがしてくるまでよくかき混ぜながらローストします。ボウルに入れて冷まし、マスタードシードを追加します。
• 清潔なコーヒーグラインダーまたはスパイスグラインダーで、スパイスとマスタードシードを挽きます。グラインダーがない場合は、小さなフードプロセッサーを使ってもいいですし、すり鉢や刷り棒を使ってもかまいませんが、できるだけ細かく砕くことが大切です。
• スパイスをボウルに移し、ターメリック、カイエン、ジンジャー、塩、砂糖、ニンニク、酢を加えて、よく混ぜます。
• 小さなフライパンで油をやさしく加熱し、上記のスパイスミックスを入れたら、軽く焦げ目がつくまで約5分ほど炒めます。冷ましてから、清潔な瓶に入れて密封します。使うときまで冷蔵保存しておきます。

19世紀のチキンカレー

さて、大変なのはここまで。カレー粉とカレーペーストさえ用意できてしまえば、あとはいつでも手軽に本格カレーが作れます。今回はチキンを使いましたが、ラムやビーフでも美味しいカレーになります。

作り方:

• 中くらいの蓋付き鍋を用意し、油を入れて中火で熱します。みじん切りにした玉ねぎを入れ、軽く焦げ目がつくまで炒めます。そこにカレー粉とカレーペーストを加えます。数回かき混ぜたら、肉と小さじ1/2の塩を加えて、1分ほど炒めます。蓋をして弱火にし、10分ほど調理します。10分経ったら、もう一度蓋をを開けて、かき混ぜます。
• そこに300mlの水を入れ（牛肉やラム肉を使う場合は、調理に時間がかかるため600mlの水を入れます）沸騰させます。
• 火を弱めて蓋をし、約30分（牛肉と子羊の場合は1時間以上）煮込みます。肉が柔らかくなり、ソースに濃度が出てくるまで、穏やかにコトコト煮ます。煮詰まりすぎた場合は水を追加し、水が多すぎてソースが濃くならない場合は蓋を外して煮詰めます。
• 味を見て、塩や調味料で調整したら出来上がりです。